噂の会社のMission Vision Valueがすごいのでちょっと聞いてくれ!
先日、マネーフォワードが上場しました。
TV(我らがテレビ東京のWBSです)でも取利上げられておりものすごいニュースになっているようです。
元LINEの森川さんが社外取締役に入っていたり、社長がマネックスの松本さんと交流が深かったり、金融機関のお金が大量に投資されていたり、純損失8億円なのに上場していたりと話題性がたくさんあります。
マネーフォワードをご存知ない人のために紹介しておきますと、この会社は家計簿アプリとかをやっている会社です。以前から知っている会社なのですが先日上場をすると友人から聞き、「えっ?もう上場するの?」と思って気になって調べてみることにしました。
僕はかなり前からマネーフォワードの家計簿アプリを使っていたのですが、大変便利です。自分の持っている金融機関の口座の情報を自動的に収集してくれて、わかりやすく表示してくれるという機能を持っています。わざわざ銀行とかに行かなくても取引明細がわかるので非常にありがたいと思って使っております。
ちょっと前までは有料プランにするのを躊躇っていたのですが、試しに使ってみたら非常に使いやすくびっくりしました。何気に口座の金額を確認するために交通費を払っていることや、複数の口座管理かける時間コストを考えると有料プランが500円というのは私にとっては実は破格です。
また、マネーフォワードさんは家計簿アプリだけでなくMFクラウドというクラウド会計サービスも手がけています。私は確定申告で大変お世話になっているのでいつもありがとうと思って使わせていただいております。
とまあ、マネーフォワードさんのやってるサービス自体は今はどうでも良いんです。
(どうでも良くないけど、MFクラウドさんに関しては今後色々書いていきます)
どうでもよくないのはこの会社のMission Vision Valueなんです。
順を追って説明しましょう!
僕は投資を何年もやってきたので、上場するとどういう会社なのかが気になってコーポレートサイトをみに行ったり、経営陣のプロフィールを調べたりして、「うーん、この会社微妙やわ」とか勝手に批評するのですが、マネーフォワードは結構面白かったので記事にしてようと思った次第です。
僕は投資をする際、様々な情報をみてから「えいやっ!!」とお金を突っ込むのですが(大した金額ではありません)、買う前に必ず、会社のビジョンについて確認します。
というのも、僕は中期〜長期を中心としたテック系のバリュー投資(今度記事にします)を中心に手がけているので、どういう思いがあって経営陣が操業しているのか?どこに向かおうといているのかを徹底的にみます。
今回マネーフォワードを調べてみて、Mission Vision Valueで恐ろしいほどシンプルで明確なメッセージを打ち出していましたのでちょっと紹介してみます。
マネーフォワードさんのコーポレートサイトをみると
ミッション・ヴィジョン・バリューが掲げられているのがわかります。
以下引用です。
Mission
お金を前へ。人生をもっと前へ
「お金」は、人生においてツールでしかありません。
しかし「お金」とは、自身と家族の身を守るため、また夢を実現するために必要不可欠な存在でもあります。
私たちは「お金と前向きに向き合い、可能性を広げることができる」サービスを提供することにより、ユーザーの人生を飛躍的に豊かにすることで、より良い社会創りに貢献していきます。
Vision
全ての人の「お金のプラットフォーム」になる
オープンかつ公正な「お金のプラットフォーム」を構築すること、本質的なサービスを提供することにより、個人や法人すべての人のお金の課題を解決します
・UserFocus
私たちは、いかなる制約があったとしても、常にユーザーを見つめ続け、本質的な課題を理解し、ユーザーの想像を超えたソリューションを提供します。
・Techology Driven
私たちは、テクノロジーこそが世界を大きく変えることができると信じています。
テクノロジーを追求し、それをサービスとして社会へ提供していくことで、イノベーションを起こし続けます。・Fairness
私たちは、ユーザー、社員、株主、社会などのすべてのステークホルダーに対してフェアであること、オープンであることを誓います。
そもそもMission Vision Valueと言うのは
Mission →「果たすべき使命」我々の存在意義は〜です!
Vission →「作りたい未来」我々はこういう世界を作ります!!
Value →「価値観や行動指針」我々の行動基準は〜です!!!
という感じです。
(えっわかり辛い?こちらをどうぞ→http://www.enterinnovation.co.jp/blog/%E7%A0%94%E4%BF%AE/305.html)
個人的にこのMission Vision Valueで重要なことは
・実現したい未来はわかりやすいか?
・社会に対して大義があるか?
・行動指針は上の2つにあっているか?
だと思っています。
これがわかりやすいと経営陣と社員、取引先、顧客の意思統一がなされるためアホなコミュニケーションを産んだりしません。
マネーフォワードさんは2012年5月に設立されているようなので、まだ若い会社ですが非常にしっかりしているなぁと感じます。これは結構重要な話で、こういうものがきちんと確立されている会社とそうでない会社は成長率や会社の魅力に雲泥の差が生じます。
その点、マネーフォワードさんは非常に良く考えられていると思います。
このMission Vision Valueのメッセージはつまりはこう言うことです。
「我々は人々のお金のプラットフォームになり、人生を良くするためにフェアを心がけ、テクノロジーを武器にして、ユーザに向き合います」
うん!シンプルでめっちゃわかりやすいです。
僕は様々な会社の経営理念やMission Vision Valueを良く確認するんですが実は「シンプルで強力なメッセージ」はあまり見かけません。
例えば球団をもつ日本代表するIT企業であるDeNAさんもMission Vision Valueをみてみましょう。
Mission
世界に喜びと驚きを
Vision
インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして世の中にデライトを届ける。
・「こと」に向かう
本質的な価値を提供することに集中する
・全力コミット
球の表面積を担うプロフェッショナルとしてチームの目標に向けて全力を尽くす
・2ランクアップ
自身の二つ上の視座を意識して仕事に取り組む
・透明性
チームで成果を上げるために、正直でオープンなコミュニケーションを心がける
・発言責任
役割にかかわらず、しっかりと自分の考えを示す
とても良いMission Vision Valueですが、被っている言葉やニュアンスがあります。2ランクアップや全力コミットは言葉の定義こそ違いますが、同じようなニュアンスを持ちます。また、喜びと言ったり、デライトと言ったり統一感がありません。
そんな些細なこと突っこまんでええやろ!とは思うんですが、僕はDeNAさんを批判したいというわけではなく(僕はDeNA好きです...)、大体の企業ではMission Vision Valueはこんなものなんだということが言いたいわけです。"あの"DeNAですらシンプルでわかりやすいMission Vision Valueになっていないのです。
くどいようですが、会社に関わる様々なステークホルダーにMission Vision Valueを適切に浸透させるには限界まで削ってシンプルにする必要があるのです。DeNAさんに限らず、1文でバシっと表現することができるMission Vision Valueを持つ会社は大変少ないと感じています。
たかがMission Vision Valueと言いますがシンプルでわかりやすいといのは極めて重要なことだと思っています。おそらくマネーフォワードにおいて誰がMission Vision Valueを考えたかはわかりませんが相当に慎重に、丁寧に、そして真摯に向き合ったのだなと感じました。
あとはこのMission Vision Valueをどれだけ真剣に、社員、経営陣、顧客、取引先などのステークホルダーに浸透させることができるかどうかです。
例え素晴らしいものを作っても絵に書いた餅状態ではダメなのです。
会社としてMission Vision Valueに取り組んでもらいたいものです。
これからのマネーフォワードに期待したいですね